家畜の歌合戦

司書×学芸員の成れの果て

図書館のTSUTAYA化が進んでいる

www3.nhk.or.jp

ブコメ読むと「一図書館に資料の管理を求めるのは無理がある」、
「寄贈したら廃棄されても仕方がない」といったニュアンスのものがありました。

いたくまっとうな感想だと思います。

とはいえ、そもそも地方の公共図書館は、

 日本の公立図書館サービスは,1950年の図書館法によって「図書館奉仕」の理念を掲げはしたものの,その具現化には相当の年月を要し,ようやく 1960~70年代に,『中小都市における公共図書館の運営』(1963年),『市民の図書館』(1970年)を指針として発展の方向を見いだした。図書 館を真に住民のものにしようという意欲的な図書館員の努力,読書環境の整備充実を求める住民要求の高まり,それを受け止める自治体の積極的な施策と対応に よって,図書館サービスは顕著な発展を遂げてきた。

公立図書館の任務と目標

という理念や背景はあるものの

 

1980年代になると,いわゆる行政改革により,図書館はつくっても十分な職員を配置せず,その不足を嘱託,臨時職員などで補う自治体,さらには図書館法 の精神に反して,公立図書館の管理運営を公社・財団等に委託するケースや司書を派遣会社に求める自治体が現れる。その上,1990年代には,生涯学習体系 への移行,情報ネットワークの整備という,国の政策レベルの動向,さらには90年代以降構造改革,分権推進,規制緩和という政治や経済の動きを受けて,図 書館経営に一段と複雑かつ巌しい様相が広がっている。

公立図書館の任務と目標

というか(どこか第3者的な)コメントのまま

現在まで続いているといっていいでしょう。

 

これがTSUTAYA運営の図書館なら、発行日が古いからいずれも

「お金にならないからいずれも廃棄しておきますね。」

といったところで、

今回、図書館が閲覧率の低い本を廃棄したことは、

皮肉にも図書館がTSUTAYA化していると言わざるを得ないです。

 

<参考>

中小都市における公共図書館の運営 - Wikipedia

市民の図書館 - Wikipedia